基本のイメージとしてあるものを書かせていただきます。
大昔! 詰将棋での左脳と右脳の話しがあり、ヘボアマは論理的処理を司る左脳で処理するが、プロ棋士は画像処理を司る右脳で処理しているということを読んだことがあります。要するにプロ棋士は読むんじゃないということで感心したものでした(ただ、おそらく短い手数のものが出題されたのではないかと推測しています。長手数の難問であればどうなのかという疑問がなくもないです)。
あと、サヴァン症候群(知的障碍者で特異能力を持たれている人)でカレンダー計算というのがあります。2030年の10月5日は何曜日かと聞くと、即座に正解するのです。ここで興味深いことは、カレンダー計算をする数式というものがあり、この数式を使えば誰でも答えは出せます。ただし、結構複雑な数式のようです。この計算を大学院の数学科の生徒に1ヶ月間やらせつづけたところ、なんとその院生たちはみなカレンダー計算を数式なしでできるようになったのです。このカレンダー計算が左脳処理なのか右脳処理なのかは書かれていませんでしたが、勝手に推測すると数式を使った計算は左脳処理で、瞬時のカレンダー計算は右脳処理だと思われます。
ということで、自分の中では、左脳処理が右脳処理へと変換されるというのが努力の結実であり、自分としては好ましいものであるのです。この意味で、脳内に将棋盤があり、加藤一二三が三面指しの駒落ち目隠し将棋をしたとかというと凄いと思ったりするのです。またゆうさまのように、そろばんの玉が頭の中で動くというのは信じられない思いです。そして、両方とも右脳処理であると思うわけです。
当然、得手不得手はあっても、使う使わないはあっても、羽生さんも藤井さんも脳内に将棋盤は思い浮かべることはできるはずです。
ただし、それは使わずに、符号だけで読み進めると言っているではありませんか!!!
盤面も使ってということなら分かりますが、符号だけとは・・・
ここで、幸子さんにご紹介いただいた「将棋と認知科学」の講演会が参考になるわけです。
羽生さん「頭の中で読み進めるとき、指し手は符号で進み、駒が頭の中で動くことはない。最後に局面を判断するときになって、局面が浮かんでくる」
松原仁さん「そろばんについての研究によると、そろばんがうまい人は頭の中でそろばんが動く。もっとうまい人は頭の中にそろばんが出てくることはない。そろばんが出てくると速度が制限されるから。羽生四冠は「もっとうまい人」にあたるのでは。」
脳内に、そろばんが出てくる、盤面が出てくる、それ自体すごい話しですが(私の盤面はゆがんだり、欠けたりしています)、達人になるとそれも消えてしまう・・・何たることか!
符号だけの読みは普通に考えると左脳になるのですが、この松原さんの推測が正しいとすると、
左脳(盤面も使った読み) ⇒ 右脳(盤面のみの画像処理) ⇒ 盤面も消えた符号だけの読み(そろばんは数字だけ?)
となり、この符号だけの読みが左脳か右脳かは分かりませんが、夢見るわたしとしては異次元処理とでもいいたいところになるわけです。・・・今日負けちゃったけどネ・・・